システム特性に応じて、どちらの手法を選ぶかを決める
「スケールアップ」と「スケールアウト」はいずれもスケールの手法
「スケールアップ」と「スケールアウト」はいずれも、「システムやアプリケーションの処理能力や可用性を高める=スケール」ための手法である。
垂直スケールとも呼ばれるスケールアップでは、たとえばCPUの変更やメモリの増設などによりサーバ自体の処理能力を増減させるアプローチである。
スケールアップの作業中は一般に、機器を一旦停止させなくてはならない。
対して、水平スケールとも呼ばれるスケールアウトでは、システムを構成するサーバの数を増減させる。
スケールアウトは一般に、サーバ台数の増減が容易なサーバ仮想化の技術によって実装することが多く、その場合、機器を停止させる必要がない。
スケールの手法はスケール対象のシステムの特性で使い分ける
スケールアップとスケールアウトのいずれを選択するかは、スケール対象のシステムの特性によって決まる。
一般に、スケールアウトが向いているのは、個々の処理が比較的単純で、多数のデータを同時並行して処理するシステムやアプリケーションである。
一方、スケールアップが向いているのは、個々の処理が比較的複雑で、処理の工程が長いシステムやアプリケーションだ。
そのため、Webサーバはスケールアウトさせ、データベースサーバはスケールアップさせるなど、用途に応じて使い分けることが重要になる。