企業統合では、基幹システムが一方に統合される
ある業界内のユーザー企業が統合すると、多くの場合、ユーザー企業の基幹システムがどちらか一方に統合(片寄せ方式)されることになる。
統合される側のシステムベンダーにとっては、大きな仕事を奪われることになるため、どちらに肩寄せするかをめぐり、担当システムベンダーとユーザー企業の間で様々な駆け引きが行われることになる。
この駆け引きは、ユーザー企業の規模が大きくなるほど激しくなり、特に大手金融機関同士が合併した場合には、取締役が自ら営業に動くほどだ。
メガバンク統合に伴うシステム統合が大規模トラブルに繋がる
たとえば、第一勧業銀行(富士通)と富士銀行(日本IBM)と日本興業銀行(日立製作所)が合併してみずほ銀行が誕生した際には、担当ベンダー間で綱引きが行われた。
しかし、合併までに時間がなかったことから、片寄方式ではなく、各々の銀行の勘定系システムを併存させる形となった。
しかし、その結果、システム間の連携がうまく行かずに、大規模システムトラブルにつながったと言われている。
なお当時、メガバンクの勘定系システムは、NEC、富士通、日立製作所、日本IBMの4社が独占していた。