量子力学の現象を利用して並列計算を可能にするコンピュータです。
量子コンピュータとは、「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」といった量子力学の現象を利用して並列計算を可能にするコンピュータです。
従来型コンピュータでは膨大な時間を要する問題も、量子コンピュータを使えば短時間で解ける可能性があるため、様々な分野での活用が期待されています。
量子コンピュータは、問題解決アプローチによって、量子ゲート方式と量子アニーリング方式の2つに分けられます。
量子ゲート方式の量子コンピュータは、量子状態にある素子の振る舞いや組み合わせで計算回路を作り、問題を解きます。
一方、量子アニーリング方式の量子コンピュータは、組み合わせ最適化問題に特化しています。
量子アニーリング方式では、複数の状態を重ね合わせて演算できるため、従来型コンピュータが逐次的に処理しなければならない複数の物理的状態を、一度に処理できるのです。
ハイブリッド量子コンピュータの研究開発も進んでいます。
量子コンピュータは研究開発段階であり、本格普及まで時間がかかる可能性も高いでしょう。
そのため現在は、量子ビット数が少なく、開発が比較的容易な量子コンピュータと従来型コンピュータを組み合わせたハイブリッド量子コンピュータの研究開発も進んでいます。
こうしたハイブリッド量子コンピュータは、化学、製薬、金融などの分野での活用が模索されています。
