なぜ、ITシステムがブラックボックス化するのですか

IT企業が、情報システム部門の機能の多くを担っています。

ITシステムがブラックボックス化してしまう背景には、日本におけるユーザー企業とIT企業の関係があります。
IT人材白書によれば、欧米諸国と日本では、ベンダー企業とユーザー企業に存在するIT人材の割合が大きく異なります。
すなわち、欧米諸国ではIT人材の半分以上がユーザー企業に在籍するのに対して、日本では3割以下しか在籍していないのです。
これは、IT企業がユーザー企業の情報システム部門の機能の多くを担っていることを示しています。

市場変化に応じてITシステムを素早く柔軟に変更できません。

そのため、ユーザー企業の情報システム部門は既存システムの保守運用に人手を取られて、市場変化に応じてITシステムを素早く柔軟に変更できません。
こうした現状は、IT関連予算の使い方にも現れています。
米国企業と日本企業を比較すると、明らかに米国企業の方が、ITを活用したビジネスモデルの変革、ITによる製品・サービスの開発といった攻めのIT投資の割合が多くなっているのです。
多くのユーザー企業が近年、情報システム部門のスタッフを拡充し、システムの内製化を図ろうとしていますが、成功している企業は多くありません。

おすすめの記事