IT投資においても、ROIの考え方が重視されます
会計学の世界において、「企業の投資した資本がどの程度の利益を生んでいるか」を測る指標はリターン・オン・インベストメント(ROI)と呼ばれます。最近、IT投資においても、ROIの考え方が重視されるようになっています。つまりユーザー企業は、IT投資がどれだけの経費削減や利益拡大を生んだのかを見るようになっているのです。
ROIは、基本的には利益を投資額で割ったものに100をかけた数で算出されますが、IT投資の場合、利益を削減できるコストと拡大した利益、投資をシステム開発費と運用管理費とみなすことで、広い意味での情報システムの投資対効果を測ります。
計画なしにITに投資しても、収益に結びつきません。
ROIが重視されるようになった背景には、企業の業務が情報システム無しには回らなくなってきた一方で、きちんとした計画無しにITに投資しても、業務の効率化、ひいては企業の収益に結び付かないことにユーザー企業も気付いたという事実があります。そのため、運営、成長、変革など、IT投資の目的に応じてKPIを設定し、KPIの達成が可能になるように、IT投資を実施するようになっています。
今後、システム提案の場面において、ROIの考え方はさらに重視されるようになってくるでしょう。